賃貸借契約書とは?再発行や紛失して困るケースを解説
賃貸物件に住む場合、契約の締結時に賃貸借契約書を受け取り、借主側で保管するのが一般的です。
しかし、長く入居する場合、契約時にもらった書類を、意図せず紛失してしまうことがあります。
賃貸借契約書は大切な書類なので、無くしたことに気付いた時点で対処しなければなりません。
今回は賃貸借契約書の役割とはなにか、再発行や紛失して困るケースについて解説します。
賃貸物件の契約をお考えの方や、書類を無くしてしまった方はぜひ参考になさってください。
▼ 物件情報が見たい方はこちらをクリック ▼
松屋町駅周辺の賃貸物件一覧へ進む
紛失したら困る?賃貸借契約書の役割とは?
まずは、賃貸借契約書とはなにか、役割を含め解説します。
賃貸借契約書とは?
賃貸借契約書とは、賃貸借契約を締結したという証明書です。
借主と貸主のあいだで取り決めた内容が、文章化されています。
万が一トラブルや疑問などが発生した場合は、賃貸借契約書を確認し、解決を試みるのが一般的です。
そのため、契約前には内容をしっかりと確認したうえで、署名と捺印をすることが重要といえます。
記載されている内容とは?
記載されている主な内容は、下記のとおりです。
●入居できる期間
●入居するうえでの禁止事項
●契約を更新する際の条件
●退去する際の原状回復の義務
●貸主と借主、連帯保証人や保証会社、仲介する不動産会社の名前
記載されている内容としてまず挙げられるのが、入居できる期間です。
一般的な賃貸借契約においては、2年ごとに更新がおこなわれます。
契約満了後も住み続けたい場合は、基本的に更新することが可能です。
また、禁止事項や条件も賃貸借契約書に記載されています。
たとえばペットの飼育や楽器の演奏が不可の場合、禁止事項として盛り込まれているでしょう。
単身者向けの間取りの場合は、複数人での入居が不可という点も記載されています。
原状回復の義務とは、借主が退去時に、部屋の状態を入居当時と同じように戻す義務です。
畳の交換費用は貸主の負担、クロスの貼り替え費用は借主の負担という風に、退去時における費用負担の内容が記載されています。
貸主と借主、連帯保証人や保証会社の名前なども、賃貸借契約書を見ると確認することが可能です。
役割とは?
賃貸借契約書の役割は、先述のとおり、賃貸物件に入居するうえでのトラブル防止です。
入居するうえでの禁止事項や、退去する際の原状回復の義務を口約束でしてしまうと、言った・言わないの揉めごとにつながります。
そのため、内容を契約締結前にしっかりと確認し、わからないことや疑問点は、署名捺印の前に解決しておくことが重要です。
万が一トラブルが発生した場合、一般的には賃貸借契約書に記載されている内容が優先されます。
紛失してしまうと、ご自身では内容が確認できないので、トラブルが発生した際に困ってしまうでしょう。
▼ 物件情報が見たい方はこちらをクリック ▼
松屋町駅周辺の賃貸物件一覧へ進む
賃貸借契約書の紛失における再発行について
続いて、紛失した際の再発行について解説します。
再発行は可能なのか?
入居している期間は、賃貸借契約書は紛失しないよう、大切に保管しなければなりません。
万が一紛失した場合「再発行はできるのだろうか…」と思う方も多いのではないでしょうか。
しかし、再発行をすること自体は法的に問題ありませんが、再発行はほぼできないといえます。
問題点は、もし再発行した契約書の内容が、当初の内容と異なっている場合、どちらを優先すべきかという点です。
契約時に作成されたものと、あとから作成したものは、基本的に別物と判断されるのが一般的です。
作成日で優先順位が決まるケースがありますが、有効なほうを選ぶためには、時間や手間がかかるでしょう。
区別がつかない場合、状況によっては、裁判でどちらの内容が正しいかを判断することになります。
このように、不動産会社にとって再発行はリスクが高いため、どうしても後ろ向きになってしまうのが現状です。
紛失した場合はどうすれば良いのか?
再発行は難しいということを解説しましたが、紛失してしまった場合はどうすれば良いのでしょうか。
もっとも適した方法は、不動産会社からコピーをもらうことです。
賃貸借契約書は、不動産会社にとって重要な書類です。
契約を締結してから最低5年間は、保管する義務があります。
そのため、入居から5年未満であれば書類のコピーが可能でしょう。
ただし、所定の手数料がかかることがあります。
再発行もコピーもできない場合は?
紛失後、再発行とコピーができない場合、最終手段として各都道府県庁の窓口に相談することも方法の一つです。
窓口は都道府県ごとに異なり、例として宅建業免許グループや全日本不動産協会、不動産業課や国民生活センターなどが挙げられます。
賃貸借契約書を紛失してしまった場合、こうした窓口に相談すれば、自分の契約内容を再確認するための情報を得られることもあります。
とくに、契約書を無くしたあとで退去や更新手続きに不安を感じる方は、専門家や公的機関への問い合わせを検討してみると良いでしょう。
無くしてしまうと退去が求められる?
もし賃貸借契約書を紛失してしまっても、契約が無効になったり退去を求められたりするわけではありません。
なんのトラブルもなく生活できている以上、契約書の有無は関係ないということです。
とはいえ、紛失に気づいたら万が一のときに困るので、なんらかの対応は必要といえるでしょう。
▼ 物件情報が見たい方はこちらをクリック ▼
松屋町駅周辺の賃貸物件一覧へ進む
賃貸借契約書を紛失すると困るケース
最後に、賃貸借契約書を紛失してしまうと、困るケースについて解説します。
ケース①市役所に提出するとき
困るケースとしてまず挙げられるのが、市役所に書類を提出するときです。
賃貸物件を事業用として利用する場合、開業時に契約書の提出を求められる可能性があります。
コピーではなく、原本を提出することが一般的なので、ないと事業を始めるための許可をもらえません。
そのため、事業を始めようとお考えの場合は、困ることになるでしょう。
ケース②トラブルが起きたとき
トラブルが起きたときも、困るケースの一つです。
とくに金銭的なトラブルが起きたとき、賃貸借契約書がないと困ってしまいます。
家賃や管理費用、更新料などは、すべて契約書に記載されています。
急な値上げなど、金銭的なトラブルが発生した場合、証拠が不十分で交渉が上手く進まなくなるでしょう。
先述のとおり、紛失してしまっても、なんのトラブルもなく生活できている以上、契約書の有無は関係ありません。
しかし、なんらかのトラブルが起きたとき、借主が不利になる可能性があります。
ケース③契約内容やルールを確認したいとき
困るケースとして、契約内容やルールを確認したいときも挙げられます。
先述のとおり、契約書には入居するうえでの禁止事項や契約を更新する際の条件、退去する際の原状回復の義務などが記載されています。
禁止事項を確認したり、更新の条件を知りたかったりする場合、手元にないと内容をチェックすることができません。
たとえば、ほかの入居者がペットを飼っており、鳴き声が気になるケースで考えてみましょう。
契約書にペットの飼育が不可という記載があれば、管理会社に苦情を入れることができます。
入居者同士のトラブルの際も、賃貸借契約書が役に立つでしょう。
また、紛失した場合は「もし契約書を紛失しても大丈夫」と安易に考えず、手続きや相談先をきちんと調べておくことがおすすめです。
市役所に提出が必要な場合や、ペット可かどうかなどのルールを確認したい場合には、コピーの用意や不動産会社への問い合わせが早期解決につながります。
▼ 物件情報が見たい方はこちらをクリック ▼
松屋町駅周辺の賃貸物件一覧へ進む
まとめ
賃貸借契約書とは、賃貸借契約を締結したという証明書で、借主と貸主のあいだで取り決めた内容が文章化されています。
もし再発行した契約書の内容が当初の内容と異なっている場合、どちらを優先すべきか考える必要があり、状況によっては裁判になることもあるので再発行は難しいのが現状です。
金銭的な揉めごとや入居者同士のトラブルが発生したときや、契約内容やルールを確認したいときなどに困ることになるので、紛失した時点でなんらかの対処は必要となります。
その際、不動産会社からのコピーの取得や各都道府県庁の窓口への相談といった具体的な行動を早めにとることで、万が一のトラブルに備えることができるでしょう。
▼ 物件情報が見たい方はこちらをクリック ▼
松屋町駅周辺の賃貸物件一覧へ進む