賃貸借契約におけるブラックリストの影響!不安なときの物件の探し方も解説

事務員 S

筆者 事務員 S

不動産キャリア12年

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賃貸借契約におけるブラックリストの影響!不安なときの物件の探し方も解説

ローンの滞納などの経験があると、信用情報機関のブラックリストに載るという情報を聞いたことはないでしょうか。
そんな時、「もしブラックリストに載ったら賃貸物件を借りられなくなるのでは?」と心配に思う方もいるでしょう。
そこで今回は、そもそもブラックリストとはなにか、賃貸物件でのブラックリストの影響や不安なときの物件の探し方について解説します。

ブラックリストとはなにか

ブラックリストとはなにか

厳密にいうと、信用情報機関には「ブラックリスト」と呼ばれるリストは存在しません。
ただし、信用情報にネガティブな情報が載ることを「ブラックリストに載る」と表現するケースがあります。
信用情報機関とは、信用情報を集めて、銀行や消費者金融などの加盟店に提供する機関です。
信用情報には、クレジットカードやローンの契約内容・利用状況などの履歴が登録され、加盟店同士で共有されます。
以下では、信用情報にネガティブな情報があることを称して「ブラックリストに載っている」と表現します。

どんな状況でブラックリストに載ってしまうのか

ブラックリストに載る状況はさまざまですが、ここでは代表的な例をご紹介します。

●クレジットカードの支払い遅延
●携帯電話料金などの滞納
●自己破産などの債務整理
●学生ローンや奨学金の滞納
●家賃滞納による代位弁済


これらのネガティブな情報は、個人の信用情報に履歴として残ります。

ブラックリストに掲載される期間

信用情報に載せられているネガティブな情報は、一定期間が過ぎると削除されます。
削除されるまでの期間は、その情報の内容によって異なります。
支払いの遅延や任意整理などは、5年ほどで削除されるケースが多いです。
一方、自己破産などの深刻な状況については、最大10年ブラックリストに残ります。

ブラックリストへの掲載を確認する方法

自分の信用情報にネガティブなものがあるかを確認したいときは、本人開示制度を利用できます。
本人開示制度とは、本人確認書類の提出によって、金融機関に信用情報の開示を求めるものです。
金融機関によっては、インターネット上で手軽に開示請求ができるところもあります。
詳しい開示請求の方法については、各金融機関の公式サイトで確認しましょう。

ブラックリストが賃貸借契約に与える影響とは

ブラックリストが賃貸借契約に与える影響とは

信用情報機関のブラックリストに載っていると、新たに部屋を借りるときに賃貸借契約ができるのか心配に思われる方もいるでしょう。
すべての賃貸借契約において、信用情報機関のブラックリスト入りが影響するわけではありません。
また、賃貸借契約においては、一律の「ブラックリスト」と呼ばれるものは存在しません。
ただし、信用情報機関や保証会社を通して契約するケースでは、信用情報の確認があり、ブラックリストが原因で賃貸借契約ができない可能性もあります。
保証会社によっては、「家賃情報データベース」を活用しているところもあります。
家賃情報データベースとは、一般社団法人全国賃貸保証業協会加入の賃貸保証会社が登録する個人情報の共有システムです。
このデータベースに、過去の家賃滞納の履歴があると、賃貸借契約ができない可能性が考えられます。
ブラックリストに載っていることが、賃貸借契約において不利になる理由について、以下の3つの点から解説します。

ブラックリストによる影響①家賃の支払い能力に不安を持たれる

入居審査において重要視されるのは、借主に安定した家賃の支払い能力があるか否かです。
過去に家賃やローンなどの支払い滞納の履歴があると、支払い能力に不安があるとみなされ、審査に通らない可能性があります。
入居審査では、保証会社の審査のほかに、大家さんによる入居の同意を求められます。
保証会社の審査には通っても、ブラックリストに載っていることを知った大家さんが、入居を断るケースも考えられるでしょう。

ブラックリストによる影響②人柄を不安に思われる

入居審査では支払い能力だけでなく、借主の人柄も検討されます。
入居申し込みをすると、人柄を判断する材料として、内見での会話や申込書のやりとりなどの情報をまとめた参考資料が、大家さんに提供されます。
人柄を判断するときにも、信用情報の滞納履歴があると、「お金にルーズで社会的信用が低い人」とみなされかねません。
ブラックリストに載ると、5~10年は履歴が残るため、すでに完済済みの件でも、大家さんの印象に悪影響を及ぼす可能性はあります。

ブラックリストによる影響③金銭トラブルへの懸念がある

賃貸借契約では、毎月の家賃のほかに、更新料や退去費用なども発生します。
入居後にかかる費用について出し渋り、トラブルを起こす借主もいることを大家さんは恐れています。
そこで、ブラックリストに載っている方は、過去に金融機関とトラブルを起こしていることから、入居を拒否されるかもしれません。

ブラックリストの影響が不安な方の賃貸物件の探し方とは

ブラックリストの影響が不安な方の賃貸物件の探し方とは

ブラックリストに載っている方でも、賃貸物件が借りられないわけではありません。
ブラックリストの影響が不安な方の賃貸物件の探し方を4つご紹介します。

賃貸物件の探し方①保証会社不要の物件を探す

保証会社を通して賃貸借契約をすると、ブラックリストの情報が大家さんの目に留まることになります。
そこで、保証会社不要の物件を探せば、ブラックリストの影響を受けずに賃貸物件が借りられます。
ただし、保証会社不要の物件は少ないため、部屋の選択肢が狭まってしまう点は覚悟が必要です。
保険会社のなかでも、独立系の会社は審査が比較的緩いといわれています。
反対に、クレジットカードなどの滞納がある方は、信販系の審査に通りにくい傾向があります。
保険会社は各物件で決まっており、借主が選択することはできません。
保険会社の種類を選びたいときは、事前に不動産会社に相談しておくことをおすすめします。

賃貸物件の探し方②家賃が安い物件を選ぶ

入居審査で重要視されるのは、借りる物件に対して、借主が十分な支払い能力を持っているかどうかです。
そこで、家賃が安い物件を選べば、求められる支払い能力のハードルを下げられます。
ブラックリストに載っていても、家賃に対して十分な収入があるとみなされれば、審査に通る可能性は高くなります。
家賃の目安は月収の3分の1程度が一般的です。
家賃の支払い遅延を起こさないためにも、無理のない価格帯の物件を選ぶようにしましょう。

賃貸物件の探し方③築年数の古い物件を選ぶ

新築などの人気の高い物件は、入居希望者も多いため、入居審査の基準も高くなりやすいです。
一方、築年数の古い物件は、大家さんも早く入居者を決めたいと思っているケースが多く、審査が緩くなる傾向があります。
おすすめの探し方は、築年数10年以上の物件や木造、1階の部屋など比較的不人気な物件などを探すことです。
不人気な物件でも、住みやすさには問題のない掘り出し物件もあるため、意識的に探してみましょう。

賃貸物件の探し方④親族に代理契約をお願いする

代理契約とは、借主本人以外の3親等以内の親族が、賃貸借契約をすることを指します。
一定以上の収入がある親族を選べば、ブラックリストに載っている本人が契約するよりも、審査に通る可能性が高まります。
物件によっては、代理契約が不可能なケースもあるため、事前に不動産会社への確認が必要です。

まとめ

信用情報機関において、リストとしてのブラックリストは存在しませんが、支払い遅延や自己破産などの履歴があることを「ブラックリストに載っている」と表現することがあります。
保証会社を通して賃貸借契約をするときは、大家さんにもブラックリストが知られるため、入居を断られる可能性があります。
入居審査が不安なときの探し方は、家賃が安い物件や築年数が古い物件を探すなど、審査のハードルを下げることがおすすめです。