リースバックにおける買取価格の相場が知りたい!家賃を抑える方法も解説

事務員 S

筆者 事務員 S

不動産キャリア12年

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リースバックにおける買取価格の相場が知りたい!家賃を抑える方法も解説

病気や転職、介護など、さまざまな理由から住宅ローンの返済が家計に重くのしかかることはあるものです。
住宅ローン返済の負担を軽減する方法として「リースバック」がありますが、買取価格はどのくらいになるのか、疑問をお持ちの方はいるでしょう。
今回はリースバックをしたときの買取価格の相場と家賃相場を、家賃を抑える方法と併せて解説します。

リースバックにおける買取価格の相場

リースバックにおける買取価格の相場

リースバックを選択したときの買取相場は、一般的な仲介および買取による不動産取引と比べて、約10~20%安い価格になりやすいです。
不動産の状態などさまざまな要素により買取価格の相場は上下し、仲介による不動産売却や不動産会社による買取の相場より30~40%ほど安くなるケースもあります。

リースバックによる買取相場が安くなる理由

リースバックを利用すると買取価格の相場が安くなる背景には、不動産会社による利回り重視の考え方が関係しています。
不動産投資を通じて家賃収益を得たいと考える不動産会社は、利回りを踏まえたうえで各物件の査定をおこないます。
利回りは以下の計算式で算出可能です。
利回り = 1年あたりの家賃収入 ÷ 買取価格
安い価格での買取を実現できれば利回りが高くなるため、リースバックをすると一般的な売却や買取よりも相場が安くなります。
またリースバック契約の終了後に不動産を売却し、利益を得たいと考える不動産会社も買取価格を安く抑える傾向が高く、相場が安くなりやすいです。
仮にリースバック契約時の不動産市況が良いとしても、売却時の状況は見通せないため、売却損のリスク回避に向けて買取価格は安くなりやすいでしょう。

築年数が買取相場に与える影響

基本的に築年数が一定以上経過した不動産は、新築物件と比較して買取価格が高くなりやすいです。
不動産の価値でみれば築年数が浅い物件のほうが高いですが、リースバックにおける買取価格の判断には価格の値下がりにともなうリスクが大きく関係します。
基本的に築年数が浅い不動産は将来的に市場価格が大きく下落する危険性があり、築年数がある程度経過した不動産は市場価格の下落リスクが少ないと言われます。
築年数が浅い不動産では、リースバックから売却までの期間が長くなるほど価格が安くなり売却益が減少するため、築年数が古い不動産のほうが有利なのです。

地域が買取価格に与える影響

リースバックの買取価格相場には、地域の差が関係します。
不動産会社などリースバックを通じて不動産買取を希望する方は、借主が家賃を滞納したときに不動産を売却して資金回収をおこなうのが一般的です。
もしもの事態を考えると、不動産売買が成立しやすいほうが滞納分の家賃を回収しやすく、首都圏や都市部など不動産取引が積極的な地域は相場が高い傾向にあります。
反対に、地方など不動産取引が活発におこなわれない地域は、買取価格の相場が低くなりやすいです。

利回りを考慮したリースバックにおける家賃相場

利回りを考慮したリースバックにおける家賃相場

リースバックをしたときの家賃は以下の計算式で算出可能です。
1か月あたりの家賃 = 不動産の買取価格 × 期待利回り ÷ 12か月
期待利回りとは、不動産の買取価格に対する1年あたりの家賃割合を示す数値で、パーセンテージで表されます。
具体的には不動産の種別や築年数、リースバック運営を担う会社の方針などで左右されますが、不動産の買取価格の7~13%の間に設定されるのが一般的です。
リースバックをする不動産の買取価格を800万円と仮定し、期待利回りが7%と13%のケースを比較した結果は以下のとおりです。

●7% = 800万円 × 7% ÷ 12か月 = 約46,666円
●13%= 800万円 × 13% ÷ 12か月 = 約86,666円


1年で換算すると期待利回りが7%だと56万円、13%では104万円となり、期待利回り率の設定で家賃に大きな差が生まれることがわかります。
なお、リースバックを利用すると、一般的な賃貸物件を借りるよりも家賃が高くなりやすいことを覚えておきましょう。

リースバックにおける家賃相場が高くなる理由

リースバックをすると家賃相場が高くなると言われる理由には、家賃を設定する仕組みが関係します。
周辺地域の相場をもとに家賃を決定する一般的な賃貸物件とは異なり、リースバックでは不動産の買取価格を参考に家賃を決めます。
ゆえに不動産の買取価格が高くなるほど、家賃もほかの賃貸物件の相場と比べて高くなりやすいのです。
とくに住宅ローンが多く残っている不動産のリースバックでは、ローンを完済して買取先の不動産会社が抵当権を抹消する必要があり、家賃も高額になる傾向があります。
また、物件への思い入れが強い点も、リースバックしたときに家賃が高額になりやすい理由のひとつです。
多少であれば高い家賃を負担してでも同じ家で暮らしたいとの考えから、不動産会社に高めの家賃を提示されても受け入れやすいのです。

リースバックによる家賃を抑える方法

リースバックによる家賃を抑える方法

高額傾向にあると言われるリースバックの家賃を抑えるには、不動産の買取価格と期待利回りを下げるための対策が重要です。

家賃を抑える方法1.買取価格を交渉する

家賃を少しでも抑えるには、まずリースバックを依頼する不動産会社に買取価格の値下げを交渉すると良いでしょう。
リースバックでは不動産の買取価格の高さに応じて家賃も高くなる仕組みであり、買取価格を安くしてもらえれば家賃負担の大幅軽減が期待できます。
今後の家賃負担を少しでも軽くしたいなら、事前に買取価格や家賃に関して相談できるか尋ねてみてください。
買取価格が必要以上に高くなると家賃も高くなるため、少しでも抑えられるよう交渉してみましょう。
事実、リースバック前の面談で家賃を可能な限り抑えたいと伝えたところ、相場を約2万円下回る家賃を提示されたケースもあります。
子どもの進学費用など必要な金額だけを調達したいのであれば、金額を計算したうえで買取価格を提示するのもおすすめです。
ただし、家賃を抑えるために買取価格を下げすぎるのはNG行為です。
リースバックの目的は、あくまでもまとまった資金の調達がメインであり、希望よりも安い金額での買取になると、リースバックを選択した意味がなくなる可能性があります。
買取価格や家賃を交渉し、納得のいく結果に結び付けるためにも、将来必要になる資金をなるべく正確かつ具体的に算出することが大切です。

家賃を抑える方法2.買い戻しの希望を伝える

家賃を少しでも安く抑えるコツとしては、将来的に買い戻しを検討している旨を伝えて買取価格を安くする方法もあります。
リースバックは、一度買い取ってもらった不動産を買い戻せる点が特徴です。
実際に、できるだけ家賃を抑えたい旨とともに将来物件の買い戻しを考えていることを伝え、相場より約5万円以上安い家賃で契約したケースもあります。
買取価格を抑えれば家賃の負担軽減につながるだけでなく、買取を依頼した不動産を買い戻しやすくなるため、現在生活している家を手放したくない方にはおすすめの方法と言えるでしょう。

まとめ

リースバックをしたときの買取価格の相場は、仲介や買取よりも安くなる傾向が強いです。
家賃は周辺の相場ではなく買取価格に応じて決められるため、基本的に高い金額になりやすい点にも注意が必要です。
少しでも家賃を抑えたいなら、面談の段階で買取価格を安くできないか交渉してみることをおすすめします。