空き家を賃貸に出すメリット・デメリットについて!注意点もご紹介

事務員 S

筆者 事務員 S

不動産キャリア12年

明るく元気がモットーです!

空き家を賃貸に出すメリット・デメリットについて!注意点もご紹介

空き家を有効に活用する方法の一つとして、賃貸に出すという選択肢があります。
家賃収入が得られることや、老朽化を防ぐ効果が期待できますが、一方で修繕費の負担や入居者とのトラブルといったデメリットも考慮する必要があるのです。
この記事では、空き家の賃貸活用によって得られるメリット・デメリットや、注意点について詳しくご紹介します。

空き家を賃貸に出すメリットとは?

空き家を賃貸に出すメリットとは?

空き家をそのまま放置すると、カビや害虫の発生、野生動物の侵入、空き巣の被害など、さまざまなリスクが生じます。
また、老朽化が進むと倒壊の恐れもあるため、適切な対策を講じることが必要です。
思い出のある家を手放したくない場合は、賃貸活用を検討する価値があります。
初めに、物件を貸し出すメリットを確認していきましょう。

メリット①家賃収入が得られる

空き家を賃貸に出す最大のメリットは、家賃収入を得られることです。
入居者が見つかれば、毎月の固定収入が得られるため、家計に余裕が生まれます。
とくに設備の故障や修理が少なければ、労力をかけずに安定した副収入を得られる点が魅力です。

メリット②住宅の劣化を防止できる

空き家を放置すると劣化が進みやすくなりますが、賃貸に出せば入居者が日常生活の中で換気や掃除をしてくれるため、物件の劣化を最小限に抑えられます。
とくに遠方にある物件では、オーナー自身で定期的な管理をおこなうのは難しいため、入居者がいることで管理負担が軽減されます。

メリット③相続税対策にも役立つ

空き家を賃貸に出すことは、相続税対策としても有効です。
現行の税法では一定の条件を満たすと相続税が軽減される仕組みがありますが、空き家はその対象外となることがあります。
しかし、賃貸活用をすれば特定の要件を満たすことで軽減措置が適用され、相続税の負担を抑えることが可能です。
ただし、賃貸に出した場合でも、相続税の軽減措置が適用されるには「小規模宅地等の特例」など特定の要件を満たす必要があります。
すべての物件が自動的に軽減対象となるわけではない点に注意しましょう。

空き家を賃貸に出すデメリットとは?

空き家を賃貸に出すデメリットとは?

物件を貸し出す際には、期待できるメリットだけでなく、発生し得るデメリットについてもしっかりと理解しておくことが大切です。
収益とリスクのバランスを見極め、自分にとって最適な方法を選びましょう。
次に、賃貸活用におけるデメリットを見ていきます。

デメリット①整備費用がかかる

空き家を賃貸に出すためには、まず住める状態に整備しなければなりません。
長期間放置されていた家は劣化が進んでいる場合が多く、屋内のクリーニングや屋根・壁の補修が必要になります。
また、庭がある場合は手入れも必要です。
空き家の状態によっては、キッチンや浴室の改修、断熱材の交換、外壁の修繕など、大規模なリフォームが必要になることもあります。
しかし、高額な整備費を投入しても、空室が続く可能性があります。
そのため、費用対効果を慎重に見極めることが大切です。

デメリット②管理の負担が増える

空き家を不動産会社を通さずに賃貸に出す場合、家の管理責任は貸主にあります。
たとえば、設備やインフラに関するトラブルが発生した際は修理や対応を自力でおこなう必要があります。
また、借り手と近隣住民の間でトラブルが起きた場合には、貸主が間に入り解決を図らなければならないケースも多く、これには時間と手間がかかるのです。
これらの管理業務には手間と時間がかかるため、賃貸に出す前に自分がどこまで対応可能かを慎重に検討しましょう。

デメリット③入居者とのトラブルのリスク

入居者との間でトラブルが発生することも、空き家を賃貸に出す際の大きなデメリットです。
たとえば、家賃を何カ月も滞納される、ルールを守らず違法な用途で使用される、設備の乱用による故障が起きるといった問題が挙げられます。
また、借り手と周囲の住民との間でトラブルが起きた場合には、その対応に時間を割かれることも考えられます。
こうした問題が解決せずに長引くと、いずれ自分が住みたいと考えている場合にも戻ることが難しくなるかもしれません。

デメリット④修繕や定期的な出費が必要

空き家を賃貸に出した場合、貸主は定期的な修繕や管理にかかる費用を負担しなければなりません。
入居者が使用することで水回りや設備の劣化が進むため、これらを維持するための修理や交換が必要になります。
また、入退去時にはクリーニングやリフォームをおこなうことも一般的です。
敷金や礼金ではこれらの費用をすべてまかなえない場合も多く、賃貸収入だけで十分な利益を得るためには、こうした出費も考慮した収支計画を立てることが大切です。

空き家を貸し出すときの注意点

空き家を貸し出すときの注意点

物件の賃貸活用には多くの可能性がありますが、注意点を押さえ、事前準備をしっかりとおこなうことが成功の鍵となります。
ここからは、賃貸運営を円滑に進めるためのポイントをご紹介します。

注意点①空き室リスクに備える

賃貸経営で最も気をつけたいのは「空き室リスク」です。
不動産の賃貸運営では、家賃が唯一の収入源となるため、入居者がいない期間が長く続くと、維持費だけがかかり赤字となる可能性があります。
そのため、賃貸を始める際には、入居者をどのように確保するかを計画することが重要です。
また、入居者は永久的に住み続けるわけではないため、入れ替えに対応できるよう地域の賃貸市場の動向を日頃からチェックし、競争力のある物件を目指す必要があります。

注意点②確定申告の準備を忘れない

家賃収入を得る場合、毎年の確定申告が欠かせません。
収入額によっては所得税や住民税の納税義務が生じるため、事前に把握しておくことが必要です。
また、確定申告や経理業務を税理士に依頼すると費用がかかる場合があります。
さらに、年度ごとに税制が変わる可能性があるため、最新の税情報を常にチェックし、適切な節税対策を検討しましょう。
副業として考える場合は、それなりに時間と労力がかかる点を認識しておくことが大切です。

注意点③家賃設定と契約形態の選択

家賃を適切に設定することは非常に重要です。
物件の立地や広さ、築年数、周辺の賃貸相場など多角的に検討して適正価格を見極める必要がありますが、個人で判断するのが難しいと感じる場合は不動産会社に査定を依頼すると安心です。
また、契約の形態には「普通借家契約」と「定期借家契約」の2種類があります。
普通借家契約は、入居者が退去を申し出ない限り契約が更新される形式で、貸主からの解除には正当な理由が必要です。
一方の定期借家契約は、契約期間を限定し、期間終了後に退去を求められる契約形態で、将来的に自己使用を予定している場合に適しています。
それぞれの特徴を理解し、自身の目的に合ったタイプを選びましょう。

注意点④トラブルを防ぐための対策

賃貸契約時には、入居者とのトラブルを防ぐための工夫も重要です。
契約書に原状回復のルールや退去時の状態について具体的に明記しておくことで、双方の認識違いを減らすことができます。
とくに、壁や床、設備の破損や汚損については、どの範囲までが入居者負担になるのかをはっきりさせておくと安心です。
不動産会社のサポートを活用しながら、リスクを減らせる仕組みを整えましょう。

まとめ

空き家を賃貸に出すことは、家賃収入や物件の劣化防止、相続税対策など、さまざまな利点が期待できます。
ただし、物件を整備するための初期投資や定期的な修繕費、管理業務にかかる負担などを総合的に見極める必要があります。
さらに、契約形態や家賃設定、確定申告など、考慮すべき要素は少なくありません。
リスクと収益のバランスを見極めながら、十分な事前準備と計画をおこなうことで、物件を有効に活用できる可能性が高まります。
もし検討段階で迷うことがあれば、不動産会社の無料相談や専門家の意見を取り入れることも有益です。
空き家という資産を活用し、より良い賃貸運営を目指していきましょう。