不動産売却が長引く原因とは?原因別の対処法を解説!

不動産売却が長引く原因とは?原因別の対処法を解説!

不動産を売却したいものの、「なかなか売れないのでは」と心配し、躊躇してしまう方は少なくありません。
不動産売却が長引く原因はさまざまですが、いずれも対処法が存在します。
この記事では、不動産売却をご検討中の方に向けて、不動産売却が長引く原因とその対処法を解説します。
不動産売却の平均期間もご紹介しますので、ぜひご参考になさってください。

「不動産売却が長引いている」と見なされる期間とは

「不動産売却が長引いている」と見なされる期間とは

不動産は、売却したいと考えてすぐ売り出せるものではありません。
不動産を仲介で売却する際の流れと、各ステップの平均期間は次のとおりです。

●査定を受け、仲介を依頼する不動産会社を決める:1週間~4週間
●不動産会社と媒介契約を結び、売却活動を進める:1か月~3か月
●買主と売買契約を結び、不動産を引き渡す:1か月~2か月


上記をまとめると、不動産売却の平均期間は3か月~6か月となります。
ただし、これはあくまでも大まかかつ一般的な流れです。
売却する不動産の状況や売主・買主の都合によっては、平均期間よりも長引いたり、ほかのステップが追加されたりすることもあります。
たとえば、査定を受けて不動産会社を決める段階では、不動産会社選びに悩んでしまうかもしれません。
その後も、買主がなかなか見つからないこともあれば、買主の都合で売買契約から引き渡しまでに時間を要することもあるでしょう。
マイホームを売却する場合、一戸建てなのかマンションなのかによっても平均期間は異なります。
公益財団法人東日本不動産流通機構の2023年の調査によると、成約までの期間は一戸建てで83.3日、マンションで80.1日でした。
わずかではありますが、マンションのほうが売却期間が短いことがわかります。
なお、土地のみを売却するケースの成約までの期間は79日であり、建物付きで売却するケースよりも短期間となっています。

不動産売却が長引く原因とは

不動産売却が長引く原因とは

同じ不動産は二つとなく、また不動産売却はさまざまな都合が絡み合うものでもあるため、どのくらいの期間で成約するかはケースバイケースです。
しかし平均期間が経過しても買主が見つからない場合は、原因を探って対処法を試すと良いでしょう。
不動産売却が長引く原因として多いものは、次のとおりです。

原因1:価格設定が適切ではない

不動産は、価格が高すぎても安すぎても買主が見つかりにくくなります。
価格が高すぎると「不動産の価値が価格に見合っていない」と思う方が増え、なかなか売却できません。
相場より安い場合はすぐに売却できるのではと考えがちですが、買主から「なにか事情があるのではないか」と思われてしまいます。
マイホームを購入する方は、トラブルのない不動産を購入し、長く安心して暮らしたいと考えるものです。
早く売却するために安すぎる価格で売り出すと、「欠陥があるのでは」「事故物件なのでは」などと勘繰られ、かえって売却期間が長引いてしまうでしょう。

原因2:不動産に事情がある

欠陥のある不動産や自殺・他殺・事故・事件などが発生した不動産は、買主が見つかりにくい傾向があります。
隠して売却すれば良いのではと考える方もいますが、売主には「告知義務」があり、買主の不利益になる可能性のある事情は売却前に告知しなくてはなりません。
買主に告げずに売却すると、損害賠償や契約解除を求められるおそれがあります。

原因3:立地に問題がある

不動産そのものにトラブルがない場合でも、交通公共機関から遠かったり、周辺の治安が悪かったりすると、売却に支障をきたします。
不便なエリア、危険なエリアだけでなく、競合物件(ライバル)が多いエリアも注意が必要です。
「立地が同じであれば、より新しく設備が充実している不動産を購入したい」と考える方は少なくありません。

原因4:築年数が経過している

一般的に、建物の価値は新築時がもっとも高く、時間の経過とともに下落します。
見た目や設備も古びてしまい、何らかの工夫をしない限りはスムーズな売却は困難です。
また、古い建物は買主が住宅ローンを利用できない可能性もあります。
住宅ローンを利用できないとなると、おのずと買主候補の数が限られてしまうでしょう。

原因5:売却する時期が悪い

不動産にも立地にも問題がなく、価格設定も適切なのに売却期間が長引く場合は、時期が悪いことも考えられます。
新年度の始まりである春や転勤シーズンである秋は、不動産売買が活発化する時期です。
反対に、行事の多い冬や暑すぎる夏は買主の動きが鈍くなり、不動産が売れにくくなります。

不動産売却が長引く原因ごとの対処法とは

不動産売却が長引く原因ごとの対処法とは

不動産売却が長引く原因は1つであることもあれば、複数存在することもあります。
まずは不動産が長引く原因を推測し、一つひとつ丁寧に対処することが大切です。
どうしても原因がわからない、自分のケースに合った効果的な方法を知りたいという場合は、ぜひ不動産会社にご相談ください。

価格設定が適切ではない場合の対処法

「売却前におこなったリフォーム費用を回収したい」「少しでも高く売却したい」などの理由で売り出し価格を高く設定する方は少なくありません。
しかし、それでは割高感が生じてしまい、高値での売却どころか平均期間内での売却すら難しくなる可能性があります。
査定額は相場も参考にして決定しているため、査定額から大きく外れない金額で売り出すと良いでしょう。
また、高すぎる・安すぎるといった判断ができるよう、不動産売却時にはご自身で相場を把握しておくことをおすすめします。
相場を知りたい場合は、不動産流通機構が運営しているウェブサイト「レインズマーケットインフォメーション」を利用すると、近隣にある類似物件の成約価格を調べられます。

不動産や立地に問題がある場合の対処法

事情がある不動産や不便なエリアにある不動産などは、仲介ではなく「買取」を選択すると良いでしょう。
買取とは、不動産会社が買主となる売却方法のことです。
不動産会社は、買い取った不動産に修繕などをおこなったうえで再販します。
一般の買主が避けるような不動産でも、不動産会社なら扱いを熟知しているため、スムーズに現金化できる可能性があります。
ただし、仲介で売却した場合より売却価格(買取価格)が安くなること、買取できない不動産もあることなどがデメリットです。

適切な時期に売り出すための対処法

最初の章で解説したとおり、不動産売却時には査定や媒介契約の締結といった、売り出す前のステップも存在します。
そのため、不動産売買が活発化している春や秋に売り出すためには、数か月前から行動を開始することが大切です。
春に売却したい場合は、前年の12月ごろから不動産売却に向けて動き出すと良いでしょう。

内覧が成約につながらない場合の対処法

ここまでご紹介した原因とその対処法は、おもに内覧希望者すら見つからないケースが該当します。
内覧希望者は見つかるものの成約につながらない場合は、価格などの条件面ではなく、実際の様子に原因があるのかもしれません。
このようなケースでは、次の対処法をお試しください。

●整理整とんや掃除を徹底する
●ホームステージングを利用する
●明るさに気をつける


内覧時には、購買意欲を減退させないよう室内外をきれいに保つようにしましょう。
とくに水回りは多くの方が気にする部分であり、汚れていると目立ちます。
掃除の時間がとれない場合や、築年数が経過している不動産で内覧を実施する場合は、ハウスクリーニングの利用もおすすめです。
さらに、中古住宅をモデルルームのように装飾する「ホームステージング」を利用すると、おしゃれな空間を演出できます。
内覧当日は、カーテンを開ける、すべての照明をつけるなどの準備をおこない、明るい不動産だと印象づけることも大切です。

まとめ

不動産売却の平均期間は、3か月~6か月です。
しかし、不動産や立地に問題があったり、売り出す時期が悪かったりすると、売却期間が長引くおそれがあります。
対処法には、適正価格で売り出す、買取を利用するなどがあるため、ご自身のケースに合った方法を選択することをおすすめします。